制作物⑵
みんなの家族カルタ
“里親家庭だから特別”というわけではなく、そもそも家族のかたちは一人一人違うのが当たり前。むしろ自分たちがこれまで抱いていた“普通”とは何だったのか。ファミリーホームでの出会いは「普通」のとらえ方を揺さぶられる経験になりました。
今回は私たちの制作物を通して、ファミリーホームや里親家庭での暮らしを身近に感じてもらえたらと思い、「みんなの家族カルタ」をつくりました。カルタは絵札をずらりと並べて眺めながら、読み札で読まれたカードを探して取る、という遊びです。多様な家族のかたちが自分のすぐ近くにも存在しているということを、ゲームを通して体感しやすいのではないかと考えました。読み札を読み上げられた後に、「探す」→「取る」という行為が、新たな価値観をインストールすることに繋がったら良いなと思っています。
このカルタには、私たちが訪問したファミリーホームの里親さんの思いや、里親家庭の生活、子どもの様子などが描かれています。また一つの家庭だけでなく、他の里親家庭のエピソードや、社会的養護のテーマで活動する人たちのことなど、様々なカードが混ざっているのも特徴です。
実はこのカルタはまだ50音揃っているわけではなく、未完成。カルタで遊んだ人たちはきっとゲームの最中、「これはうちの家庭も同じ」「我が家はこんなエピソードがある」 などの気持ちが湧いてくると思います。そこでぜひゲーム終了後に、自身の家族のエピソードを加えてもらえたらと思っています。頭文字が重なっても構いません。
様々な家族が混ざり合って、カルタのカードとしてずらりと並んでいる。その様子は、様々な家族が存在していることをあらわしているようにも見えるのではないでしょうか。
「みんなの家族カルタ」を通して、ファミリーホームについて話したり、自分自身の家族について思いをめぐらせながら、家族のかたちは、色々あるんだなと感じてもらえたら嬉しいです。
カルタの一部には、具体的なエピソードをつけています。カーソルを当てると表示されるので、ご覧になってみてください。





子どもの友達が家に遊びに来たときに、表札を見た友達が、「あれ?なんで、苗字と表札が違うの?」と尋ねました。子どもは、小学校に上がる前、産みの親の苗字と、ファミリーホームの育ての親の苗字のどちらを名乗るか決める時に、産みの親の苗字を名乗ることを選択したので、ファミリーホームの家の表札と苗字が違ったからです。
里親としては、どうやって答えるんだろう?と思って見守っていると、子どもは、「最近、この家に引っ越してきたから違うんだ」と答えました。
「あっ、そうやって答えるのか・・・!」と思いました。
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ある日、子どもが、「本当のお母さんの名前を知りたい」と言いました。
児童相談所の人に、子どもが聞きたいことをまとめて、調べてもらうことにしました。
また、ライフストーリーワークと言って、○才のときに、どこにいたのかなど、今までの人生を紐解いていくことを、家族と児童相談所の人と一緒にやりました。
知りたいタイミングでやってみる、全て分からなくても、そうなんだなと子どもが思えることが大切です。
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しばらくして、子どもが、「本当のお母さんに会いたいな」と言いました。
産みの親は、再婚して、子どももいること、忙しいから会えないかもしれないことを伝えました。
子どもに聞かれたことは、隠さずに、その都度、事実を答えるようにしています。
大切なことほど、嘘はつかずに、「点滴のように、少しずつ伝えていくこと」が大切です。
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ある日の夕方、家でちびまるこちゃんのテレビを見ていたら、テレビに出てきた妊婦さん見て、こどもが「ママから生まれたかったな」とつぶやきました。
普段は、里親と里子であることは意識しませんが、その時ばかりは、はっとして、思わず、我が子を抱きしめました。
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ファミリーホームに来る前の子どもたちは、児童養護施設で暮らしていました。家庭とは違う、施設ならではの生活だったため、ファミリーホームに来た当初は、施設との様々な違いに驚きの連続でした。
例えば、施設にいる大人は、仕事として働いているため、いつもテキパキしています。大人は、テキパキしているものだと思っていた子どもたちは、ファミリーホームに来た当初、家でゴロゴロしてくつろいでいる大人を見て驚きました。
また、施設では、毎回の食事の献立が決まっていて、一人ずつ取り分けられていました。そのため、ファミリーホームに来て、大皿料理をみんなで取り分けて食べたり、昨日の夕飯の残りが、
翌朝の朝ごはんとして出てくることに驚きました。
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ファミリーホームでは、「一時保護」で、乳児院や病院などから、赤ちゃんを数日~数ヶ月間、預かって育てることもあります。
ある時、産まれたばかりの赤ちゃんが、ファミリーホームにやってきました。
おむつをかえたり、ミルクをあげたり、お宮参りも家族で一緒に過ごしました。
数ヶ月して、赤ちゃんの生活環境が整ったため、お別れしなくてはいけない日がやってきました。子どもたちが学校に行っている間に、新しい場所に移ることに赤ちゃん。
子どもたちは、小学校の授業中、赤ちゃんが、出て行く時間を時計で確認して、思わず悲しくて泣いてしまいました。
ファミリーホームでは、出会いと別れを繰り返しながら、子どもたちは育っていきます。
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「はあとポート」は、2020年4月に開所した、江戸川区にある児童相談所・一時保護所です。
児童相談所は、こどもや家庭の相談に乗ったり、援助を行います。一時保護所は、虐待の疑いのある子どもを緊急的に保護する施設です。
特徴は、子育てに関する子ども家庭支援センターと、行政処分が可能な児童相談所という2つの機能を一元化しており、関係者との連携をしながらスピーディーに支援をしている23区で初めての施設であるという点です。
また、「児童相談所」と聞くと、「最終的にどうしようもなくなって辿り着く先」というネガティブなイメージがあるかもしれませんが、はあとポートでは、ちょっとした悩みを受け止める、「入口」としての港の役割を意識しています。
我慢しないで、逃げたり、頼ったりしてもいいんです。港のように受け止める場所があります。
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子どもたちは、普段から様々な遊びをして過ごしています。
絵を描いたり、本を読んだり、おうちごっこという遊びで、姉妹で世界中を旅することもあります。
最初は、おもちゃで遊ぶこともままならなかった子どもが、色々なおもちゃで遊んだり、子どもに好きなことが増えていくこと、子どもが色々なことに関心を持って、家族だけでなく友達と遊んでいる様子を見て、少しずつ成長しているんだなと感じます。
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子どもたちが家に来て、多くの変化がありました。
子どもが来るまでは、近所の人との交流も、挨拶をする程度でしたが、子どもがいてくれたことで、近所の方が気にかけてくれたり、虫が好きな子どもに、蝶ちょの幼虫をくださったりと、様々な交流がうまれています。
※初めて子どもが家に来た日には、 子どもを連れて、ご近所に挨拶に行きました。
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